< No.2 夜明け >

濃紺のマントを纏って
太陽が昇る

窓辺からそれを見ている

彼の光に射貫かれて
全てが白に染まる

並び立つビルの側面も
窓硝子が弾く輝きに

鮮やかな色
眠る者達を揺り起こす

森が目を覚まし
電柱が彼にキスをする

鳥が祝福の歌を歌う
窓辺からそれを見ている

美しい夜明け
今日の始まりは世界の終わり

白い光が閃いて
彼のマントを鮮やかな水色に変える

雲が彩りを添える
金の光がそれを縁取る

ざわめきが歓喜の声を上げる
窓辺からそれを見ている

聖書の光が水面を照らす
天国への階段を魚が昇る

窓辺からそれを見ている

また世界が終わる
そして今日が始まる

朝が来た

泣きながら眠ろう