< No.63 寄生 >

もう既に君の細い指が紡ぐ物にしか世界を見出せない
数多くの少年少女がその餌食で
夢を見る力も
明日を生きる糧も
全てをそれに依存している


はじめから
終わりまで

それはまやかし

終わりなどないということを
君だけが知っているのだ


緩やかに生み出される君の世界
穏やかに生き続けるその住人

速やかに生き老いる少年少女


羅列された空間に
自分たちが入れないことも知らないまま
いつかそれに気付く日まで
彼等は君に入り込む


君はもう
終わりを描くこともできない