[トリガー01]

大丈夫さ

僕の拳銃

銀の弾はいつでも君を狙ってる


[からの鳥篭]

うたえない
  かごのとり

はねがおちて
  涙をはじく

うたえない
  かごのとり

はねがなくて
  飛べもしない

うたえない
  かごのとり

もう冷たいわ

  空に還す事も出来ない

うたえない
  つちのなか

ねむっているの
  かごのとり


 

 

 

 



[葬列]

沈むこと

戻ること

眠ること

そして消え果ることを

望む人々

列をなす祈り

 

[異界接触奇譚]

痛みを痛みと知れるのならば
喘ぐ言葉など選ぶ必要もない

涙に哀しみを乗せるのならば
告げる眼差しさえ必要でない

私達には私達の悲嘆があって
それなりの覚悟も決めている

我々と君との間にある距離は
想うよりもずっと遠く隔たり

決して触れ合うことなどない
であればこその異界接触忌憚


[傲慢なメフィストワルツ]

一つ目は遥に遠い西の園

お前に預けた銀の鍵を
私はこれから取りにゆく

果実が腐り落ちる前に
素足を清めよ

星が嘆き喚く前に
手指を洗え

お前のその醜さを
私は受け入れ

従ってお前は
私に傅かなければななるまい

隷属する民よ
跪くお前は

私の目に映る時
何物よりも美しいだろう