[パーフェクティブ]

完成された形でなければ
要らないのだと云う貴方

希望されない変数を
拒み続ける貴方

定型であることが
完成品が
左様に大切ですか?

変化の過程にある
あらゆる要素の煌きを
御存知ないのでは?

さぁ御覧なさい

今宵の月を
降り頻る雨を
朝日や夕暮れが染め行く空を

美しいとは思いませんか

これらのひとつびとつ
全てが

神が「完璧に」作り上げた
至高の芸術品なのですよ?





[生まれ来る光]

夜空に浮かぶ
オリオンの三ツ星
その、僅か下を見てみよう。

貴方はそこに桃色の
星の群れを見つけられる。   オリオン座大星雲

そこでは何千という星が
生まれては広がって、

私たちに光を届けている。

これを奇跡と呼ばずして
何をそう称するのだろう。






[一番端]

世界の端っこまで歩いていくと
    ジュラルミンの柵がある。

チョークで記した戦争の
    遠い遠い名残だという。

鍵穴はないけれど
    錆びた留め具が

たった一人で
     " キィ "

       と呼んでいる。

空は余りに高く
    飛べないものを受け入れない。

  " キィ "

      私は一人。

誰も居ない場所なんて
    最早、何処にもないのだ。




[冬空賛歌]

冬の空は朝に晩に透き通って 私は毎日を美しいと感じるのです。



   
[鉛筆削り]

ナイフを一本くださいな
ようく磨がれた白い銀

くるくる回るハンドルは
水色ラインのストライプ

木屑の溜まる硝子箱
鉛筆を食む三つ金具

機械に出来ない芸当を
私が見せてあげましょう