[AM 2:37]

繋いでみればなんと言うことはない
変わるものも無い 容易くは無い

震える君の声と
小さな啜り泣きと

それを愛しいと思うだけ
それを愛しいと思うだけ

 

 

[天候予測]

明日はきっと温かくなるだろう
君に会うに丁度良い

身を切るような寒さも
君に会うに丁度良い

雨が降るなら
水の名残を感じ

風が吹くなら
その香りを感じよう

明日はきっと暖かくなるだろう
君に会うに丁度良い

明日はきっと温かくなるだろう
君に会う その為の温度に

 

 

 

[涙で綴った言葉より]

涙で綴った言葉より
吐息に混ぜた真実を

一匙のスプーン如きより
硬質な刺の先

尖ったつま先と
緩い爪先と

砂粒一つの光でも
拾い上げるだけの目を持って

鍵はここだ
鍵はここだ

届けに行こう
幾億先の道の果て

 

 

[春告風]

春告げ鳥より早く
その香りを届け

春告げ鳥より甘く
その香りを届け

僕の元へ
君の元へ

それが吹けば良い

 

[100/0]

選ぶ作業の単調さ
見出す術の単純さ

複雑なものをこそ望み
難解なものをこそ愛す

知る作業の単純さ
思う道程の奥深さ

そうしてそこへ辿り着く
その終焉の尊さ

 

 

[嘗て]

響かない音は要らないと言った
より多くを望んだ
届かない声は要らないと言った
より美しくと願った
伝わらない想いは持たないと言った
儚さを愚かと嫌った

美しいものを
うつくしいのだと
認める事が人の本質だと言った

君は居ない
ここに居ない

所詮は君の世界でなかった
つまりはそう言うことなんだろう